補綴・修復治療

PROSTHODONTICS

精密さにこだわった
補綴・修復治療

虫歯や欠損などで天然歯を削った際、その削った部分に被せる物のことを補綴物(ほてつぶつ)といいます。
当院は治療の「質」を求めて頂く患者様のニーズにお応えすべく準備をしております。
治療内容により顕微鏡を用いた治療、製作物の作製を行っております。当院では口腔内に装着されるクラウン(被せ物)、インレー(詰め物)を精密に歯と適合させる(緊密に合わせる)ことを重要視しています。

適合が悪いと新たなお口の病気を引き起こす可能性も

適合が悪い場合、マージン部(歯との接合部分)に隙間や段差が生じ、その部分が不潔になります。その結果、歯肉の炎症、新たな虫歯を作ることになります。また、適切な咬み合わせも、口腔内の長期的な安定にとって大切な条件となります。
ただし、過分な咬合治療は新たな問題を引き起こしますので、必要に応じ適切な治療を行うことが重要になります。

  • 精密なクラウンを装着するマージン部の拡大動画

  • 他院で処置された不適合冠のマージン部(隙間に器具が引っかかる状態)

  • 当院にて治療を行った際の適合状態
    クラウンの適合状態を動画でご覧頂けます。隙間や段差がなく、器具で触れても引っかかりません。

良い補綴治療の条件とは

クオリティの高い補綴治療を実現するためには、咬合の安定性、精度の保持、そして術前・術後の管理の3つの条件を満たすことが必要です。歯を白くし、見た目を美しく整えることも重要ですが、同時に目に見えない領域での補綴物の長期的な成功に焦点を当てています。当院では、これらの条件に着実に対応し、患者様に耐久性のある補綴物を提供するために尽力しています。

  • 咬み合わせの安定

    補綴物の設計においては、全体的な咬み合わせを考慮した上で進めることが重要です。顎の動きを考慮しながら、安定した咬み合わせを確保することで、咀嚼時に生じる違和感や口腔周囲の筋肉の不調などの悪影響を防ぐことができます。

  • 精度の維持

    治療の持続性を確保するために、補綴物の制作において隙間が発生しないように“精度”に特に配慮することが極めて重要です。隙間が大きいほど、接着剤の厚みが増し、それに伴い劣化が進む可能性が高まります。さらに、これらの隙間は細菌の侵入を許し、2次的に虫歯や歯周病の原因となり得ます。

  • 術前・術後のフォロー

    補綴物を装着する前後も、健康な歯周組織を維持するためには、細心の注意を払ったプラークコントロールが不可欠です。このため、当院では患者様に対して定期健診とメインテナンスの重要性を丁寧にご説明させていただいています。

当院の補綴・修復治療の特徴

高い技工技術を持った
技工所との連携

当院の自費治療技工物は、同様のコンセプト、技術を持った歯科技工士に製作を依頼しております。歯科技工士とのコミュニケーションは、補綴治療には不可欠で、治療のクオリティに大きく影響します。当院の治療も、素晴らしい歯科技工士に支えられて成立しています。

技工所連携と技工物へのこだわり

マイクロスコープの使用

マイクロスコープの活用により、高倍率かつ高照明の条件下で治療を行うことで、従来の視野とは異なり、安全かつ正確な補綴治療の可能性が大きく広がります。当院では、この革新的な技術を積極的に取り入れ、補綴治療を行っています。

歯肉圧排処置

歯肉圧排(しにくあっぱい)は、支台歯の周囲を覆っている歯肉を除去する処置の一環です。
当院では、被せ物の最終的な型取り時に、歯肉圧排を行います。この処置の目的は、歯と歯茎の間に微細な隙間を設け、境目の型取りを正確に実施することです。
型取りの際、この境目の精密さが最も重要です。歯肉内で確実にフィットする被せ物を作ることで、虫歯の発生を抑制し、高い精度で長寿命な被せ物を製作することが可能です。

取り扱い素材の一例

オールセラミック

全てセラミックでできている被せ物です。他の歯との色調調整を細かく行え、天然歯の色合いに近づけることが可能です。また汚れが付きにくく、劣化も生じにくいことから、虫歯の再発を防ぐ効果も期待できます。

治療期間
2~3か月(うち、制作期間3~4週間)
治療回数
4~5回(お口の状態によっては増える可能性もあります)

Merit

  • 見た目は天然歯のように透明感があり、自然な色合いを再現できます
  • 汚れに強いです
  • 金属アレルギーの心配がないです
  • 長期間の使用でも、着色や変色が少ないです
  • 加工しやすい素材のため、精密さにこだわった治療ができます

Demerit

  • 強い衝撃で破折・破損してしまうことがあります
  • 奥歯のように噛む力が特に強い歯には使用が難しいです
  • 強度を保つために、銀歯に比べると歯を削る量がやや多いです

メタルセラミック

内側が金属、外から見える部分にセラミックを取り付けています。金属が使われているので耐久性がありつつ、セラミックも使われていることから天然歯に近い見た目を作り出せます。一方で金属アレルギーの患者様には適さない素材です。

治療期間
2~3か月(うち、制作期間3~4週間)
治療回数
4~5回(お口の状態によっては増える可能性もあります)

Merit

  • 見た目の変色に強いです
  • 内冠が丈夫なため、前歯・臼歯どちらでも使用できます

Demerit

  • 装着していると歯茎に着色する場合があります
  • 金属アレルギーを起こす可能性があります

ジルコニア

整形外科などで義肢に使われるほど、体にやさしい素材。それがジルコニアです。歯の本数や咬み合わせなどを問わず、さまざまな箇所に使えるのがメリットと言えます。特に奥歯などの噛む力が強い場所には、ジルコニアがおすすめです。

治療期間
2~3か月(うち、制作期間3~4週間)
治療回数
4~5回(お口の状態によっては増える可能性もあります)

Merit

  • 白く自然感があり、装着している際の違和感がないです
  • 金属アレルギーの心配がないです
  • 長期使用した場合でも変色に強いです
  • 金属やプラスチックよりも強度があり安心して使用できます
  • 高い耐久性を持っています
  • 汚れが付きにくく、外見もきれいな仕上がりです

Demerit

  • 強い衝撃を加えると表面が破折する恐れがあります
  • 調整が難しく、割れた場合は再治療が必要です

素材ごとの特徴

メタルフリー補綴が注目されていますが、メタルを含む補綴物もメタルを含まない補綴物もそれぞれメリット・デメリットが存在します。患者様の口腔環境や重要視するポイントを相談しながら決めていきましょう。

スクロールできます

メタルを含む補綴物
(例:メタルセラミック)
メタルを含まない補綴物
(例:オールセラミック)
見た目
  • 銀歯の場合は金属が目立ちやすい
  • 内側だけがメタルのメタルセラミックは不自然さを抑えられるが、色調はオールセラミックに比べると劣る
  • 自然な見た目
  • 天然歯の色調、光沢、透明度を再現しやすく、見た目を極めて美しく仕上げることが可能です
強度 高い強度があり耐久性に優れているため、噛む力の強い奥歯にも適している 強い衝撃を受けると稀に破折することもある
金属アレルギーのリスク あり なし

補綴・修復治療の詳細

費用

※価格は全て税込み表示です

  • オールセラミック ¥176,000
  • メタルセラミック ¥220,000
  • ジルコニア ¥176,000

注意事項

  • マイクロスコープを使用した補綴・修復治療は保険適用外の自由診療です。
  • 補綴前処置、暫間冠等は別途治療費が必要です。
  • 補綴治療は治療対象の歯の状態により、治療に必要となる期間が変わります。
  • 例えば、神経の治療が必要な場合は治療行程が増えるため治療期間は長くなりますが、神経の治療が不要で順調に治療が進んだ場合は、その分治療期間は短くなります。